――誤解を受けたというのは、どういうことでしょうか。

仕事柄、B型肝炎になって仕事をお休みしたことが報道されて、世の中に知られてしまっていました。
B型肝炎ウイルスは血液を介して感染し、空気感染はしません。
それなのに、街中で女の子の集団から握手を求められて応じていたら、 街ゆく誰かが「この人、B型肝炎だよ。 うつるよ!」と言われ、その後、拒否されてしまったんです。
リハビリのため通っていたスイミングスクールでも、同じプールに子どもを通わせていた母親から、「石川さんをやめさせてほしい」と言われました。
すれ違いざまに、「あ、 B型肝炎の人!」と指をさされたことも。本当にびっくりしました。握手したり一緒に泳いだりするだけでうつることはないと伝えたいのですが、一人一人に説明して回るわけにもいかないですし。

yomiuri.co.jp/yom

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――病気に対する偏見が大きかったのですね。ご自身の体験を著書「いっしょに泳ごうよ」にまとめられたのもそういう理由からですか?

そうです。「いっしょに泳ごうよ」を出したときは、あるスーパーで、「私も、なんですけど、この本を親戚にも回して読んでもらいます」と声をかけてくれた女性がいて、書いてよかったと思いました。
患者さんやその家族から、B型肝炎になったことを必死に隠したとか、 B型肝炎になったことで仲間外れにされたとか、そういう話も聞きました。知らないからこそ、誤解が生まれるんです。
ですから私は、いろんな自治体や教育委員会などの講演会やシンポジウムで自分の体験をお話ししています。分からないことは聞いてもらえばいいし、お互いに歩み寄ることで少しずつ誤解をなくしていきたいです。

――病気に対する偏見が大きかったのですね。

ヨミドクター 2025/04/20
https://www.yomiuri.co.jp/yomidr/article/20250411-OYTET50000/